漆掻き

古くから漆器はもちろん建造物や仏像、芸術品まで広く使われたきた漆。

日本では縄文時代から塗料や接着剤として使用されていました。

漆は日本や中国、東南アジアなどで生育するウルシの木から採れる樹液を攪拌、濾過などをして精製したものです。以前は日本各地で生産されていましたが現在では日本で使用される漆のほとんどが中国産となってしまいました。

山中では平成19年にウルシの木を植栽し漆の森を復活を目指していますが、今回そこで行われる「漆掻き」という作業についてご紹介したいと思います。

 (下から上へと傷をつけていきます)

「漆掻き」とは漆の木から樹液を採取することです。

6月~10月に行われますが、特に夏にとれる漆は「盛辺漆(さかりへんうるし)」と言われ品質の良い漆が多く採取できる時期です。

採取の方法は、まず漆の木の幹をカンナと呼ばれる刃物で傷をつけます。しばらくすると傷から漆が流れ出てきます。木が傷を修復しようとして樹液=漆を流すのです。その漆をヘラですくって集めます。

    

傷の付け方にも良い悪いがあり、掻き方によって漆がうまく出てこないこともあるようです。また一度にたくさん採ると木の負担になるため約4日毎に傷をつけて採取します。採取できる漆の量は1本の木から牛乳瓶1本分ほどと言われ、大変貴重なものであることが分かります。

 

この「漆掻き」には7月末に社長が、8月末に弊社職人も参加します。なかなか体験できない機会なのでとても楽しみです。

 

9月のブログでは実際に体験した漆掻きの様子をお伝えする予定ですのでお楽しみに!

 

(K)