こんにちは!暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
先日、工房静寛の職人Sちゃんが下地屋さんの仕事を体験に行ってきました。今回はそこでの体験や発見をご紹介します。
下地屋さんの仕事は簡単に言えば白木地を補強して下地用の漆を塗り表面を滑らかにし、次に行う上塗りの下地を作ることです。この工程がしっかりできているかが上塗りの良し悪しを左右するので、目には見えない部分ですが手間と時間のかかる大事な工程なのです。
さて、そんな下地屋さんで使っている道具に面白いものがありました!
これはクジラベラというもので、クジラ🐳のヒゲを加工して作ったヘラです。お椀の縁についた漆を取る時に使うのですが適度な硬さでとても使いやすいそうです。
そしてこちらはサメ木と呼ばれるものです。その名のとおりサメの皮を木に張り付けてあります。下地をしたものを研ぐときに使うものでいろいろな形や大きさのものが揃えてあります。
これ以外にも付着したゴミを取るための鳥の羽根などがありました。
古くから職人達は身近にある自然や動物から材料を得て道具を作ってきたという事がよく分かります。先人の努力や工夫が感じられますね。彼女も新しく知った道具をこれからの仕事に取り入れていきたいと思ったそうです。
そして、こんな作業もしてきました。
この大きなものは?????
これは天井板と呼ばれる旅館の天井に飾られるパネルだそうです。土と漆を練り合わせて下地をしたものを砥石を使ってひたすら研いでいきます。「地研ぎ」という作業です。この作業も先に述べたように、平らに研げていないと表面がデコボコになり漆を塗っても綺麗に仕上がりません。根気のいる仕事ですが美しく仕上げる為には大事な工程です。
仕上りまでにはまだまだ工程がありますが、天井にどんな風に飾られるのかとても楽しみです。
長く受け継がれてきた伝統工芸の世界にはまだまだ知らないことがたくさんありました。Sちゃんも貴重な体験をさせていただきとても勉強になったと思います。
今回お世話になった職人さんには本当に感謝しております。ありがとうございました。
(K)