工房見学2

前回のブログは、木地師さんの工房見学でしたが
今回は、その次の工程、下地屋さんの工房をご紹介致します。


工房に入ると漆のにおいがしました。

下地というのは、より耐久性を出すために行う
とても大事な行程です。
漆を塗ってしまえば見えない部分ではありますが、出来上がりを左右する
一番重要な作業かもしれません。


下地が塗られた商品が並んだ姿は、ざらりとした艶が大変美しいです

漆と、珪藻土を焼いて細かしくた「地の粉」と呼ばれるものを混ぜ合わせて作る
「下地漆」をヘラで塗っていきます。

下地漆を塗るヘラは職人さんが自作しているそうです。
材料は柔らかい木曽のヒノキで、
商品ごとに、ヘラを変えているそうです!
ヘラを底にあてながら角度を合わせ作成するらしいです。
すごいですね!

乾いたらまた塗り重ねる、を何度も繰り返して強度を高めています。
商品や塗り重ねる回数によって地の粉の細かさも変えているそうです。
また、漆は湿気によって固まるという性質がある為、
季節によっても調合を変えているそうです。

今回、お邪魔したこの職人さんは、お父さんの代から下地屋さんをやっており、
昔からの技法を引き継ぎつつも新しい材料や技術を日々勉強し吸収しているというお話を
聞いて大変感動いたしました。
また、向上心のある技術を持った職人さんによって、山中漆器は支えられていると
再確認しました。

下地が終わった品は、研いで、下塗りをして、研いで、
その次にやっと上塗です。
その後蒔絵や沈金などの加飾があれば、その工程もあります。

そのように、手間と時間をかけて、お客様のもとに届いています。

手間暇かけて作られた漆器は、実はとても強度があります。
普段使いにもピッタリなのではないかと思っています。
漆は、使うごとに段々と色艶が変化していくという特徴もあり、
経年変化もお楽しみ頂けます。

また、もし壊れてしまった場合も、弊社では修理も承っています。

たくさんの職人さんの技術と歴史がつまった漆器に、少しでも興味を
持って頂けたらうれしいです。